東京都在住 12歳 女性
【レッスンご相談内容】
試合に出始めた低学年~中学年の頃は試合でも勝てていたが、高学年になって勝てなくなった。練習での考えが幼く、もっと考えながら取り組んでほしい。
まわりからも『もっとできるはずなのに』と言われているし、ドローやランキングでももっと勝てるはずの試合で負けることがある。
【指導内容例①】
今回は、うまくいかない原因を突き詰めて考え、意識しながら練習する、という取り組みをしました。
たとえばセカンドサーブが安定しないとしたときに、まずはその原因が何なのかを一緒に考えていきます。
その際に、『うまくいっているときとそうでないときの違いはなにか』といったことを手がかりに、自分で課題点を発見できるようにサポートしました。
そして課題点として『打点の位置』という課題が出てきたら、さらにそこから掘り下げていきます。
なぜ打点の位置がずれているのか、を掘り下げて考え、『トスがずれている』という原因にたどり着きます。
そこからさらに、『なぜトスがずれるのか』そして同時に『なぜずれたトスを打っているのか』を一緒に考えていきます。
『なぜトスがずれるのか』という部分は技術的な課題、『なぜずれたトスを打っているのか』は判断の課題になります。
①技術的な課題の改善
②判断の課題の改善
①技術的な課題の改善
トスがずれる、といった物理的なズレが出ている場合は、必ず物理的な原因があります。
正しい動作をすれば必ずボールは正しい動きをしてくれるはずです。
今は動きにずれが出たり、毎回の動作が同じでなかったりするので、誤差が生まれているわけです。
それをさらに具体化して掘り下げていきます。
トスが上がるときとそうでないときは何が違うのか、自分での気付きも踏まえ、またフォームを見て力みがあったり不自然なポイントがあれば、それをフィードバックしていきます。
そして、ここで原因が絞り込め、そこを意識するとうまくあがるようになったら、今度は自分の体に覚え込ませる練習が必要です。
動作を改善していくためには、それを意識しなくてもできるように体に覚え込ませていく時間が必要です。
たとえば、テニスを始めた方でも最初のうちは、ラケットにボールを当てるのにも意識をしなければできなかったのが、徐々に意識をしなくても当てることができるようになっていきます。
このように、意識を継続していくことで、体は自動的に動作ができるようになっていきます。
そのために、『意識をしながら』『正しい動作』を繰り返すことで正しい動作を体が覚えていきます。
ここで意識を忘れてしまうと、『過去の動作』が繰り返されてしまうので、何度練習をしてもあまり変化が生まれない、ということになってしまいます。
②判断の課題の改善
ずれたトスを上げたときには、『ずれた』ということに対する気付きと『やめる』という判断が必要になります。
そのために、『気付き」があるのかどうか、気付きがあるのだとしたら『判断』はされているのかを確認していきます。
自分で無意識に行っている動きを意識化してもらうわけです。
トスをあげたあとのわずかな時間でも、人間の脳はたくさんのことを判断できます。
しかし、無意識にただ動作をしてしまうとその時間を無駄にしてしまいます。
その時間を意識化していくことで、正しい判断をくだす『時間』をつくりだすことができるわけです。
具体的には、トスをあげたあとにボールを見て『気づくよう』意識化し、気づいたあとに『判断』をくだせるようにしていきます。
これまで無意識だった時間を意識化していくので、最初は簡単に思えるこれらのことも処理できないですが、練習をしていくことで、簡単に処理できるようになっていきます。
※このアドバイスは、それぞれの方の課題に対して必要なタイミングを見極めてアドバイスしております。同じ課題であってもこのアドバイスが適切でなかったり、ベストのタイミングでない場合がありますのでご了承ください。