東京都在住 11歳 女性

【レッスンご相談内容】

以前はスクールに通っていたが、スケジュールが合わなくなり中断した。とくに選手を目指すというわけではないが、テニスは好きだしおとなになってからも親しめるスポーツなので身につけてほしいと思っている。せっかくなのできちんと細かく指導を受けて上達してほしいというお母様のご要望もあり、ある程度期間を定め、その期間で何の課題をどのようにできるようにしていくか、という部分を共有して進めていく形となりました。

 

今回の場合は、基本的な動きはスクールでも身についている部分がありましたが、テニスをこの先も楽しんでいただくために、技術的な課題点を整理し、それを6ヶ月~9ヶ月程度で改善していくことを目標としています。

【指導内容例①】

 

今回の練習では、まず基本的なスイング感覚を覚えることからスタートしました。特に幼少期から始めているプレイヤーにとっては、正しいスイング感覚を覚えることがとても大事です。

たとえば、『力を抜く』ということをとっても、人によってその感覚は異なります。そして成長してしまうとなかなかその操作感覚にはくせがついてしまい、なかなか修正することは難しくなってしまいます。

特に幼少期の場合は、メニューの目標設定を丁寧に行うことによって、力を抜く感覚が習得しやすい時期です。そのため、幼少期で身につけるべき感覚として特にこのポイントは重視してお伝えをしています。

一度この感覚を身につけてしまえば、途中でテニスを中断しても再開時にはこの感覚でボールを打っていくことが可能となるので、一生の財産になる感覚です。

 

練習メニュー自体はとてもシンプルな球出しをしますが、毎回の打球感覚を確認しながら指導をしました。

 

【指導内容例②】

今回は、少しずつスイング感覚が身につきつつあったので、ボールとの距離感を養う練習を行いました。

 

 

テニスは頭で考えるととてもシンプルで、
①毎回力を抜いたスイングができれば同じスイングができ、
②そのスイングの中で毎回同じ場所でボールを打てれば、
毎回良いボールが打てます。

シンプルにこの2点ができるようになってくれば、ラリーなどは十分にできるようになります。

 

そして、この②の課題となるのが、『ボールを見抜く力』です。

ボールとの距離感に課題を感じる方は、『足』が課題だと思っていらっしゃる方も多いですが、実は『目』にあるケースのほうが多いです。

たとえば、『ボールがどこに来るかわかっている』けれどもそこに行けていない、という場合は足が課題になります。

しかし、多くの方は『ボールがどこに来るかわかっていない』ケースのほうが多いです。たとえば意図せずボールが飛んでこなかったり、予想以上にボールが跳ねたり、ということは起こる方がこのケースに当てはまります。

 

そして、この課題を改善するためのポイントが、相手が打った後にいち早くそのボールの勢いを見抜くことにあります。

今回はこのポイントを改善しました。

メニュー開始前に課題設定を行い、ラリーをしながら、予測できていないときにどのようなことが起きていたか、何が見えていなかったか、逆にうまく対応できていたときは何が見えていたのか、この点を確認しながら行いました。

ボールを見ている時間に対して意識を向けていくことで、その時間を有効に活用していくことができます。

 

【指導内容例③】

今回は、バックハンドストロークでの距離感のとり方とトスの上げ方についてお伝えさせていただきました。

ストロークで距離感がうまく取れない場合は、
①正しい打点の位置がつかめていない
②打点との距離感を手であわせようとしている
③ボールの軌道を読み切れていない
というケースが多いです。

 

今回は、特にこの①と②に焦点をあててレッスンを行いました。

正しい打点の位置が理解できたとしても、その打点に対してどのように距離感を合わせに行くか、という感覚がうまくつくれなければ、スイングをうまく行うことができません。

 

よくあるケースは、距離感を手で合わせに行ってしまうパターンです。テニスはラケットにボールを当てるスポーツなので、ラケットにボールを当てに行こうとする意識が強いと、このようになってしまいます。

しかし、このような場合、ラケットに当てることはできますが、良いスイングや狙っていくことは難しくなります。

 

ラケットのスイングは、身体を回す力で生み出します。そのため身体を回す中心とボールとの距離感を一定に作ることができれば、ボールとの距離感を保つことと、良いスイングを生み出すことを両立することができます。

このような感覚の作り方をシンプルなボールを使いながら養っていきました。

 

また、女性はトスの上げ方が苦手な方が非常に多いです。その多くの場合において、トスを上げるときの左腕の使い方がうまくいっていないケースがあります。

このような場合には、たとえば『ゆっくりと』や『棚におくように』といったように、言葉でお伝えするケースもありますが、言葉というのはあくまでその人が捉える『ゆっくり』というかたちでしか理解していただけないので、その方の頭の中での『ゆっくり』しか表現できません。

そこで今回は、実際に良いトスの上げ方の腕の感覚を一緒に感じ取っていただきながら、動きを真似していただくようにトライしました。

私のトスの上げ方を触って感じていただくことで、感覚の違いを理解することができます。

結果として、これまでとは違う感覚での身体の使い方をまさに身体で理解していくことが可能になります。

 

【指導内容例④】

今回は、引き続きバックハンドストロークについてお伝えさせていただきました。

ストロークで距離感がうまく取れてきているのですが、うまく距離感が取れたとしても、スイングと合わせられなければうまくショットは打てません。

 

スイングをする際によくありがちなのは、『きちんと最後まで振ろうとする』ことにあります。

 

テニススクールなどで時々、『最後までフォロースルーをしっかり持っていきましょう』という指導を受けた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ここで大事なことは、フォロースルーは結果として最後まで持っていかれるものであって、最後まで持っていくことを目的とすることではありません。

 

たとえば、腕の力でスイングし、その力でフォロースルーの位置まで持っていっても、あまり良いスイングとはいえないわけです。

 

このスイングの感覚を正しく保つこと、そしてさらにボールが来たときに、『ボールに当てにいこう」とするとスイングが崩れてしまうので、同じスイング感覚のままボールが打てるようにコツをお伝えしました。

 

このスイング感覚とボールとの距離感の感覚ができてくると、かなり良いボールを簡単に打つことができるようになっていきます。

 

 

 

※このアドバイスは、それぞれの方の課題に対して必要なタイミングを見極めてアドバイスしております。同じ課題であってもこのアドバイスが適切でなかったり、ベストのタイミングでない場合がありますのでご了承ください。

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