東京都在住 45歳 男性

【レッスンご相談内容】

現在はお仕事をされながら、JOPベテランに出場されています。
これまで1年半ほどレッスンをさせていただいており、ランキングもレッスン受講当初は250位ほどだったのが、現在は100位以内に入ってきました。

ただ、技術的にも格上の方と試合をする機会が増えており、そういった点でさらなるレベルアップが必要となっています。
また、格上の方と試合をすると、試合中でも『やはり相手のほうが格上だから』と思ってしまったり、逆に『攻めなければやられてしまう』と思って無理に攻めてしまったり、というケースが見受けられました。

 

【指導内容例①】

今回の指導では、以下のポイントをお伝えしました。
①自分のスタイルの確立
②自分の技術力の客観的な理解
③狙う意識の維持
④バックハンドスライスの基本技術

それぞれのポイントに対するアドバイスは次のとおりです。

 

①自分のスタイルの確立

相手が格下の場合はそのペースに合わせてラリーをしてしまい、相手が格上の場合はそのペースに合わせてラリーをしてしまう、というように、相手に合わせてラリーをしてしまう傾向がありました。
もちろん、相手のボールには対応しなければいけないのですが、自分が打つボールは自分のペースでボールを打たなければ、ゲームを支配されてしまうことになります。

テニスは時間をコントロールするスポーツでもあります。相手が打ったボールがこちらに飛んでくる時間、自分が打ったボールが相手コートへ飛んでいく時間を意識することで、時間をコントロールしていくことができます。

 

そして、この方の場合は自分のペースでボールを打とうという意識が生まれる前にボールを打たされてしまっているので、時間的余裕をもっと作っていく必要がありました。
そのように時間をコントロールしていくために、今回は少し早いテンポでのラリー練習を行いました。
その中でまずは、ラリーの中でどの瞬間の時間が遅れていくことで自分に余裕がなくなっていっているのかを観察していただきました。

ラリーは、自分が打つ瞬間/自分が打ったボールが飛んでいる時間/相手が打つ瞬間/相手が打ったボールが飛んでくる時間に大別できます。
そのそれぞれの時間でやるべきことがありますが、そのやるべきことが間に合っていかないと余裕がなくなる、ということになるわけです。

 

どの時間に遅れているか、という気付きが生まれれば、あとはそれが間に合うように意識をしていくように練習をするだけです。きちんと意識がフォーカスできているかを確認しながら練習し、結果として余裕が生まれ『自分のペースでのボールを打つ』意識をする時間を生むことができました。

②自分の技術の客観的理解

試合できちんと実力を発揮するためには、今の自分の技術力を客観的に理解することが大切です。
ある意味では、テニスはほとんどが技術力の勝負です。試合当日にメンタルが左右する余地はとても少ないです。
(逆に技術力を作り上げるために日々の意識やメンタルはとても大事です)ですが、技術力を客観的に理解できなければ、逆に自分の実力も出すことができない、ということになってしまいます。

今回のケースでは、特に格上の相手の場合に必要以上に厳しい場所を狙ったり、強いボールを打つことによって、自滅してしまう、というケースがありました。厳しい現実ですが、今の自分の技術力以上のショットは試合では打てません。

ただ、逆に言うとある意味では自分の技術力を正しく理解し、それを愚直に実行しようとすると、実力以上の結果が出たり、逆に相手が自滅してくれる、というケースが出てきます。

 

練習内容としてはとてもシンプルですが、自分の技術力がどの程度なのかを理解していただく練習をしました。
そして、そのうえでその技術力を上げていくために、何が課題なのかを理解し、改善していく方法をお伝えしました。

 

③狙う意識の維持

試合において、狙う意識というのはとても大事なポイントです。狙う意識があることで、体は自然にその方向にボールを打つように調整してくれます。

 

ただ、ボールがそれほど厳しくないときはきちんと狙って打つことができますが、相手も厳しいコースを狙ってくるので、自分が厳しい状況に追い込まれたときにいかに狙う意識を保ち続けられるかがポイントになってきます。

 

そこで今回の練習では、ラリー練習の中で厳しい状況を作り上げたり、あるいはコースが乱れたときに、ご自身の意識がどうであったかを観察していただきながら取り組んでいただきました。

どんなに『意識してください』とお伝えしても、自分の中でどれくらい意識できているのか、に対する気付きがなければ、改善はしていきません。
そのためには、今の自分がどれくらい意識できているのか、ということに対する気付きから改善が生まれていきます。

 

この観察と気付きがあることで自然に改善していく流れが作っていけます。

 

④バックハンドスライスの基本技術

ボールを打つ際には、ボールとの距離感の感覚はとても大事なポイントです。

今回のケースでは、おおよそボールとの距離感は正しくなっていますが、たださらに格上の相手に対してのショットの精度を求められた際に、より正確な距離感のとり方や対応力が求められていました。

具体的には、バックハンドスライスの際に踏み込み足で距離を調整するように取り組まれていたのですが、そのようなかたちだと、予測とずれた場合に対応ができなくなってしまい、ショットのズレへとつながってしまいます。

解決方法として、左足の使い方をご提案しました。左足の使い方と距離感のとり方を意識することで、予測と異なった場合のボールへの対応力が生まれ、ショットの精度が改善しました。

 

【指導内容例②】

 

今回は、練習やポイントの中での『要点』をおさえることについてお伝えさせていただきました。

テニスを勝つためには、様々な要素が必要となります。そのすべての要素を完璧にすることはなかなか難しいものです。

たとえばラリーにおいて常に完璧なコースに打てればよいのですが、なかなかそうはいきません。
そして完璧でなければポイントを取れない、と考えてしまうと、自分へのプレッシャーとなります。
少しでも甘くなったら攻撃されるかも、ポイントを取られるかもという不安にかられながら試合にのぞむと、その不安から無理をしたりしてしまいます。

たとえばゲームにおいて、すべてのポイントを取れればよいのですが、なかなかそうはいきません。
すべてのポイントを完璧に取り組もうとすると、どうしても守りが多くなってしまいます。
ラリーにおいても、ゲームにおいても、おさえておくべき要点があります。その要点さえおさえておけば、自分の優位を保てる、というポイントです。

このポイントをおさえると、とても気持ちが楽になります。
少なくともここさえおさえておけば、それほど厳しい状況には陥らないと理解できるからです。

今回のレッスンでは、ラリーの中でこのポイントが何なのか、ゲームの流れの中でこの要点がどこにあるのかをお伝えしながらレッスンをさせていただきました。

 

※このアドバイスは、それぞれの方の課題に対して必要なタイミングを見極めてアドバイスしております。同じ課題であってもこのアドバイスが適切でなかったり、ベストのタイミングでない場合がありますのでご了承ください。

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