大坂なおみ世界ランキング急上昇の強さの秘密とは?

2018年04月06日 大坂なおみ, プレイヤー

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2018年のWTAのプレミア大会、インディアンウェルズで優勝した大坂なおみ。マイアミ・オープンでは自身の憧れのセリーナ・ウィリアムスを6-3、6-2で倒し初戦を突破。期待が高まっていましたが、先週の疲れもあったのか次の2回戦では世界ランク4位のスビトリーナに6-4、6-2で負けてしまいました。そこで気になる世界ランキングの動きですが、なんと!先週の優勝で1000ポイントを稼ぎ現在22位までランクアップしました。今回は、気になる大坂選手のランキングと、彼女の代名詞であるパワーサーブに注目してみました。

 

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ジュニア時代とランキング

彗星のごとく現れてトップ選手をなぎ倒し、スーパースターのような注目を浴びている大坂選手ですが、彼女も人の子。いきなり上手くなったわけではありません。

 

あまり取り上げられませんが、大坂なおみはジュニア時代から現在の“ライバル”と何度も対戦し、経験を積んできています。 アメリカのITF チャレンジャーやジュニア・全仏等の大会で、オリンピック金メダリストのモニカ・プイグ(プエルトリコ)や、元世界ランク7位のブレンダ・ベンチッチ等と闘っています。その映像がこちら。

 

プロ転向と急上昇のきっかけ

 

2013年にプロ転向。その年、6月にテキサス州エルパソで行われたITFサーキット大会で準優勝。実はこの年の秋に東レパンパシフィック選手権の予選に出場しており、初戦で敗れはしているものの、日本でプロデビューしています。同年のランキングは430位。

 

大坂の衝撃的な“デビュー”は2014年に始まります。7月に行われたWTA大会バンク・オブ・ウエスト(カリフォルニア州、スタンフォード)で、予選を突破。一回戦では元世界ランク4位で2011年の全米オープン優勝者のサマンサ・ストーサーを破り、193km/hという驚異的なサーブを打ち込んだ事も大きく取り上げられました。大坂のパワーサーブが印象強くなったのもこれが原点かもしれません。 2015年は227人をごぼう抜きし203位でシーズンを終えました。

 

 

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WTAランキングシステムの仕組み

女子ツアーのランキングは試合に勝てばポイントが溜まり、稼いだポイントの合計で毎週ランキングを発表します。強い人に勝ったから高いポイントがもらえるという訳ではなく、一回戦で世界ランク1位に勝とうが100位に勝とうがもらえるポイントは全く一緒(2006年に改正されたルールで現在のようなルールになっていますが、改正前は強い人に勝つともっと多くのポイントが稼げていました)。

 

出れば出るだけポイントが稼げる様に聞こえますが、実際のランキングは、年間何試合でようと上位17試合の結果のみを対象に計算されます。

今年2018年に大坂なおみが優勝したインディアンウェルズはプレミア大会といって、グランドスラム4大大会の一つ下のランクの大会。プレミア・マンダトリーと呼ばれるこの大会は年間4大会あり、トップ10選手は出場が義務づけられています。これはグランドスラムも同じ事で怪我をしていようが、結婚式が予定されていようがトップ10選手は仕事として出場が義務となっています。

 

その年に獲得したポイントは翌年のその大会の前に失効しますので、毎年良い成績を出し続けないとランキングがキープできないという仕組みです。

今年2018年のプレミア大会で1000ポイントを獲得した大阪にとって、今のランキングを来年の2019年もキープする為には好調を維持しつつ、怪我を避けなければなりません。

急成長の2016年

 

大坂なおみにとって2016年は特別な年だったのではないでしょうか。東レパンパシフィック選手権で準優勝。全豪オープン、全仏オープン、そして全米オープンの3つのグランドスラムで3回戦進出。ランキングもトップ100を切るどころか、トップ50に食い込みこのシーズンを世界ランク47位で終えました。最終的には日本人初となるWTAの最優秀新人賞を獲得。

 

現在ではお馴染となった日清やWowWowが大阪とスポンサー契約を結んでいます。その時の大坂のコメントは、「初めてウェアに契約のパッチが付く。誇りに思う。日清食品は尊敬する錦織選手が所属しており、私も彼に一歩でも近づけるように女子テニス界を盛り上げていきたい」と語っています。

ここから世界中のメディアやテニスファンが大坂なおみの存在に注目し始めます。

 

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経験を積むという作業

最高201km/hという高速サーブを打ち込んでエースを量産するパワフルなテニスが印象的な大坂ですが、2017年の全豪オープンでそれが世界で通用しないことを目のあたりにしました。当時の世界ランクトップ10のジョハナ・コンタ(英国)に6-4、6-2で負けてしまいます。

自分のパワーサーブやフォアハンドが彼女の頭脳テニスによって封じ込まれたのです。敗戦インタビューで大坂は「彼女のような戦略的に上手いテニスをするのが目標。対戦して学べて幸せ」と語り、この時点で自分のパワーテニスのみでは上にいけないという事を自覚していました。

 

テニスのサーブの速さは試合の勝ちに比例しません。以外ですがエースの数にも比例しません。確かにどこかの統計で5本に1本エースを取れているプロの試合は勝率が8割まで上がるというデータが出ていますが、テニスは確率と戦略のスポーツ。特にプロでもアマチュアでもポイントを立て続けに失った時や崩れ始めた時にどうやって立て直せるか?が勝てるかどうかのポイントになります。

大坂は2016年の全米オープン3回戦でマッチポイントまであと1つという場面からの逆転負け。ショックで辛い出来事を経験しました。

 

2017年の同じ全米オープンでケルバーを倒した試合は大坂がそれまで何を努力して積み上げてきたか?が証明されたのではないでしょうか。

あのパワーテニスをするセリーナ・ウィリアムスを倒して全豪オープンを優勝したケルバーに対し、パワーだけではなく戦略を立てながら自分のテニスでトップ10に初めて勝ちました。彼女にとっては大きな収穫だったと思います。

まとめ

2017年の11月に新しいコーチを迎え、全豪オープンで4回戦進出。今年2018年のインディアンウェルズではトップ10を次々となぎ倒し自身のWTA初優勝をしました。常にポジティブでいる事をコーチとの間で目標にしている大坂。これは、技術を進歩させることよりも難しい事です。

新しいコーチのおかげでポジティブにいられるのか?

技術が進歩して優勝できたのか?

いろいろな分析や憶測が飛び交いますが、優勝したことで大きな自信をつけ、全く勢いが止まりそうにはありません。高速サーブやパワーショットが武器の大坂ですが、その武器を自分自身で理解しコントロールできるようになった大坂の世界ランクの成長が楽しみです。

 

そんな大坂なおみ選手の生い立ちやプロフィールについてもご覧になりたい方は下のリンク先をご覧ください。

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