劇的にうまくなる方法は？
テニスの技術というのはどうしたらうまくなるのでしょうか？
まずここで、『うまく打てる』とはどういったことなのかを整理してみましょう。
『うまく打てる』とは、スイングの動きを繰り返し同じ動作で再現できたり、
あるいは、思い通りのスイングを生み出すことができたり、と言うことができるでしょう。
つまり、思い通りに体を体を動かすことができれば、うまくなることができるわけです。
逆に言うと、思い通りに体が動かないために、うまく打てていない、ということができます。
では、体の動きはどのようにして改善していけるのでしょうか？
ここで注意したいのは、外側から見える体の動きと、その中で起こっている動きの質です。
たとえば、あるスイングをしたときに、腕が同じ軌道を通っていたとしても、その動きがどこの力で生まれ、どのような力の伝わり方・使い方で生まれたか、によってその動きの質は大きく変わってきます。
その動きの質に大きく関わってくるのが、『心』の動きです。
たとえば、イチローを代表とした、プロ野球選手は『道具を毎日手入れをする』ようにしています。
もちろん礼儀としての意味合いもあると思いますが、私は技術的な部分につながる意味合いもあると考えています。
日々の手入れを通して、道具に対する敬意を抱いていくことによって、道具を扱う感覚や道具に対する向き合い方が変わってきます。その心の動きが、動きの質に影響を及ぼしてくるのではないでしょうか。
実際の私の体験をお話しますと、昔からラケットを扱うときには、自分が『主』で、ラケットが『従』である、と捉えて、自分がラケットの動きを操作してやろう、と思っていました。
しかしある時ふと、もしかしたらラケットを動かそうとするのではなく、ラケットに自由に動いてもらうためにどうすればよいか、ラケットが『主』で自分が『従』であるのかもしれない、と思った瞬間がありました。
そして実際にそのような向き合い方でラケットを扱い始めると、一瞬でそれまでとスイングの感覚が大きく変わった体験をしました。
本質的にテニスを上達してもらおうとするときには、今の動きはどのような心がそれを生み出しているかをつかみ、動きに変化を生むための心の捉え方を伝え、理解して実践していただくことが大事だと考えています。
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