ジュニア選手のフォームで気をつけるべき点とは?
ジュニアの選手が強くなろうとするときにフォームのどのような点を気をつけるべきなのでしょうか?
特にジュニアの時に気をつけたいのは、クセをつけないようにすることです。ジュニアの時にクセが一度ついてしまうと、なおすのが大変になってしまいます。
今回はジュニアの時にフォームで気をつけるべき点をお伝えしたいと思います。
フォームのクセには要注意
練習していくときに、何がどれくらいできるようになったか、も気になりますが、実は大切なポイントが『フォーム』です。
特にジュニアの時に、フォームにクセがついてしまうと、成長してからなおすのにとても苦労することになります。
というのも、人が動きを習得するのに、最も早く身につきやすいのが15歳くらいまでになります。
逆に言うならば、その時期を過ぎてしまうと、動きが身につきにくい、または身についた動きがなおりにくくなってしまいます。
ではどのようなときにクセがつくのかを解説しながら、正しいフォームを覚えるために必要なことを考えてみましょう。
①入れることにこだわりすぎるとき
まずひとつ目のパターンは、『入れることにこだわりすぎているとき』です。
もちろんテニスは相手コートにボールを入れる競技なので、ボールはコートに入れることが大切です。
しかし、ジュニアが試合に勝とうとして、入れることにこだわりすぎてしまうと、手先でラケットを操作してボールをコントロールしようとしてしまいます。
しかし、本来のスイングは、体を回しその体が回る力で腕からラケットに力が伝わるようにすべきなので、むしろ手先の力は抜いておくことが必要です。
この手先でラケットを操作する感覚が普通になっていってしまうと、成長してから『強いスイング』をしようとしたときも『小手先』で強く振ろうとしてしまうため、鋭いスイングができません。
②技に懲りすぎるとき
もう一つのパターンは、『技に凝りすぎるとき』です。
特に男子ジュニアは、ドロップショットやスピンやスライスといった『技』が大好きです。
もちろんこれらの技自体は覚えても良いのですが、大切なのは『どのような力の使い方でその技を行うか』です。
これらのワザをジュニアが小手先の操作感覚でラケットを操って実現しようとしても、中途半端な技になってしまいます。
一方でジュニアの場合、中途半端な技でもポイントを取れてしまうこともあるので、その成功パターンを覚えてしまうと、何度も繰り返していくうちに、小手先でラケットを扱う感覚が体にしみついてしまいます。
そうなってしまうと、あとから操作感覚を変えてフォームをなおしていくのは、難しくなってしまいます。
③フォームについてのアドバイス
最後のパターンは、フォームについてのアドバイスによって、崩れてしまうパターンです。
フォームについては、色々なアドバイスがあります。
例えば、『ラケットを立てる』『はやく引く』『グリップから出す』等、たくさんのアドバイスがあります。
しかし、これらのアドバイスも、場合によっては後で悪影響の残るアドバイスになってしまうときがあります。
これらのアドバイスは、いずれもフォーム、外側から見える型についてのアドバイスです。
注意したいのは、これらのアドバイスを聞いたときに、『どこの力でそのフォームや型を作っているか』がポイントです。
たとえば『グリップから出す』というアドバイスであれば、体が合理的に動いた結果としてグリップから出ているのか、そうではないのに手先でグリップから出る形を無理やり作っているのか、によって動きの質が大きく変わってきます。
そして、アドバイスに従ったフォームを作ろうとして、無理やり体の動きを作ろうとしていくと、それが体に身についてしまい、フォームをなおすのに苦労することになってしまいます。
大切なのは動きの質であり、フォームは質が表れたもの
ここまで、フォームにクセが出るパターンを見てきました。
目先の技術や勝敗に意識が向きすぎてしまったり、無理やりフォームを作ろうとすることによって、フォームにクセがついてしまうことがご理解いただけたかと思います。
大切なことは、『動きの質』であり、『どこの力でそのフォームが生み出されているか』という視点を常に持ち続けることにあります。
フォームというのは、動きの質が表れたものになります。しかし、表面的にフォームだけをなおそうしても、さらにクセがついてしまうだけです。
動きの質が変わってくれば、フォームは自然に変化してきます。ですので、フォームが結果として自然に変化してくるように、動きの質をいかにあげていくか、ということが大事なポイントになります。
動きの質については、「上達に必要な『遊び』の要素」、「ジュニアが将来伸びる打ち方とは?」の記事でも解説していますので、ご覧ください。
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