動機づけ・モチベーションの源とは?

2019年12月07日 ジュニア

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ジュニア選手が自発的にトレーニングやテニスノートを書くようになってほしい、と思うことはありませんか?選手を育てている親御さんでしたら、一度はお悩みになることではないでしょうか。

今回は、そんなジュニア選手の動機づけやモチベーションについて考えてみました。

ある選手のお母さんの悩み

先日、ある選手のお母様とお話していたときに、『楽しんで取り組んでいるのだけど、もう一歩進んでほしい。例えば家でトレーニングをしようと言っても、言えばやるけれども、言わないとやらないし、もっと強い選手はきっとそれくらいのことは当たり前でやっているから、それと比較すると意識のレベルがもう少しあがってほしい』というお話をいただきました。

 

このお話をお伺いさせていただき、私からお話させていただいたことは、一所懸命取り組むことの源泉はどこにあるのか、という視点でした。

動機づけの実験

ここで、いわゆる『やる気』について、ある実験結果をご紹介したいと思います。

その実験は、実験参加者に、やっているだけでのめり込むような楽しいパズルを解く、ということに取り組んで頂くものなので、Aグループにはただ単にパズルを解いてもらい、Bグループにはある条件を課す、というものです。

まず最初の実験では、Bグループにパズルを解けた人には報酬を支払う、という決め事をして取り組んでもらいました。

そして、一定時間取り組んでもらったあと、休み時間になります。実はその休み時間がポイントで、その休み時間のときに、自らパズルを解こうとし続けるかどうか、という点を観察することが実験の目的です。
つまり、休み時間になってもパズルを解こうとするということは、自ら自発的にやる気をもって取り組もうとしている、ということになります。

そして、実験の結果、Aグループは休み時間になってもパズルを解き続けた人が多かったのに対して、Bグループは休み時間になるとパズルを解こうとする人は減少したそうです。

また、今度はこのような実験も行われました。
今度のBグループにはパズルを速く解く『競争』をしてもらうようにしました。実はそのグループ内にはサクラの参加者が混ざっており、そのサクラより早くパズルを解くように、という条件が設定されたのです。しかし競争相手はサクラなので、Bグループの参加者は本人の知らないところで競争に必ず勝つように設定されていました。

つまり、『勝ち』を味わうと、よりその楽しさやモチベーションがあがるのではないか、という実験です。

実験の結果は、、、
残念ながら、競争をした参加者は、競争が終わったらもうパズルに取り組もうとはしなかった、という結果が出ています。
つまり、『競争』や『報酬』は、本当に自発的に取り組む動機づけにはつながらない、ということになります。

継続するやる気とは?

そのうえで、お話をさせていただいたのが、その選手本人がどのようなことに喜びや楽しみを見出しているか、をさらに深めていくことをお伝えさせていただきました。

この喜びや楽しみ、という点が難しいのですが、例えば、『試合に勝って楽しい』『何かを得ることが嬉しい』というような結果にひもづくものだと、うまくいかなかった時や、困難なときに心が折れてしまう、外発的な動機づけになります。
そうではなく、ただ取り組んでいることに楽しさ、喜びを感じていることは、何なのかを掘り下げていただくことがポイントになります。
ここで注意したいポイントは、どのようなことにも『喜びや楽しさ』を見つけようとする視点がポイントになります。
これは楽しい、これは楽しくない、と分けてしまうと、たとえばゲーム性があるポイント練習には楽しみを感じる、という捉え方になってしまいます。

そうではなく、たとえば単純な基本練習の中にも、自分なりの喜び・楽しさを見出そうとする、そのあり方が大切であり、例えばですが、
『お、前と違う感覚で打てているな』といった成長の感覚であったり、
『ボールってこんな風に見えるのか』といった発見の感覚が例えばの例になります。

今この瞬間を味わい、楽しむ

最後に、少し自分の例でお伝えさせていただけたらと思います。
私は実は、ものすごく字が苦手で、汚い字だという自覚があります。
ひそかに字の練習をしているのですが、特に線をまっすぐに引けないことが悩みで、これまで練習をするときは、『きれいな線が書けるかな』『嫌だなぁ、またまっすぐ書けないのではないか』と恐る恐る字を書いていました。
そうすると、弱々しく、字も曲がっていくのです。

結果を気にしながら、恐る恐る取り組むことによって、逆に字が汚くなっていました。

そして、先日『線がまっすぐ引けるかどうかは手放して、ただこの線をスッと引いてみよう』と思って書き始めたら、以前とは違った感覚で、きれいな線が書き始められました。
(といってもまだまだ自信はありませんが。。)

もちろんまっすぐ引くようには考えているのですが、その結果を追い求めようとするのではなく、まっすぐ引こうとする方向性でありながら、線を引いている今この瞬間自体を楽しんで取り組んでみる、という感覚です。

勝負の世界に身をおくと、勝敗やランキングに心が左右されてしまいがちです。
ですが、勝敗やランキングに左右されない強い心が育まれた時に、勝手に勝利が手に入り、ランキングが手に入ってきます。

 

一人ひとりに細かく指導して課題改善するGROWTH TEAM

tennis091
毎日の練習で、自分の課題やその改善方法を意識しながら、密度の濃い時間を過ごすことで、成長の速度が変わってきます。
GROWTH TEAMでは、それぞれの選手に個別に問いかけ、課題や取り組み方を明確にすることで、普段の練習の取り組み方を改善します。

今の所属に通いながら、並行して受講できるので、大きく環境を変えることなく、成長スピードをあげることができます。
 

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